アルマイトとは
アルミニウムは空気中にさらすと、表面に薄い酸化皮膜をつくります。この皮膜はアルミニウムの表面を保護し、腐食を防ぐ働きをします。この皮膜を人工的に厚くしたものがアルマイト(陽極酸化皮膜)です。

 アルマイト処理の方法
硫酸・蓚酸(しゅうさん)などの電解液の中で(当社では硫酸)陽極側にアルミニウム製品、陰極側に鉛板を設置して電流を流すと陽極から発生する酸素とアルミニウムが化学反応をおこしてアルマイトができてきます。この時、アルマイトには、電気の通った微細な孔が無数にあいており高温・高圧の水蒸気や熱湯中で処理すると、孔がふさがれます(封孔処理)。
硫酸法と蓚酸法の違いをまとめました。

硫酸法(当社) 蓚酸法
皮膜色 透明色 黄色
染色性
(吸着性良いため)
×
耐食性
耐摩耗性
(硬度)
200 〜 250Hv(通常)
400 〜 450Hv(硬質)
300 〜 350Hv
コスト
(電解液が安価で
電解電圧が低い)
×
(電解液が高価で
電解電圧が高い)

 着色の方法
アルマイト処理後、表面の微細な孔に染料を入れ、
封孔処理により染料を閉じ込めて着色します。

 封孔処理
アルマイト処理後には、表面に無数の孔(穴)があいておりそのままでは吸水性があり汚れの原因になります。この孔を塞ぐ処理を封孔処理と呼びます。
封孔処理を施すことにより染料を閉じ込めて着色できたり、耐摩耗性と耐食性の向上につながります。封孔の方法は以下方法があります。

加圧水蒸気
封孔処理
アルマイト後、水洗い、高圧容器内に入れ蒸気を送り、封孔する方法。品質面では優れている。
沸騰水
封孔処理
アルマイト後、水洗い、純水、沸騰水浴中にいれて封孔する方法。
処理性が良く、もっとも多く使用されている。
当社ではこの方法を使用しております。
無機、有機物
封孔処理

酢酸ニッケルか酢酸コバルトの水浴液中にて封孔する方法。

 アルマイトの性質
アルミニウムの表面を硬くし、腐食を防ぐ
 → 耐食性耐摩耗性耐光性
また、染料を使ってさまざまな色を着色させることができる(染色)。

 アルマイト後のアルミニウム及びアルマイト皮膜の厚さ
アルマイトの場合はメッキと違いアルミニウム自身を酸化させて皮膜を作るため、アルミニウム部分の寸法が多少変わります。(下図参照)


 材料との関係
A1000〜7000番まで処理が可能。
 → アルミニウムを詳しく知りたい方はアルミの知識を御覧下さい。

 硬質アルマイトとは(当社では扱っておりません)
従来のアルマイト処理よりも電解浴の温度を摂氏0〜5度と低温に設定し、さらに電流密度を上げて、低合金アルミニウムを陽極として酸化処理する製法です。
従来のアルマイト処理に比べ、20倍程度の硬度や耐摩耗性・潤滑性に優れているため、航空機部品として多用されています。 最近では、軽量性や優れた耐摩耗性・電気絶縁性を生かし、機械部品や電子部品にも用いられています。


 アルマイトと電気メッキの違い
電気メッキは金属を陰極で電解し、表面を電解液中の金属イオンで還元析出させる処理方法です。 しかし、アルマイトは、電気メッキと全く逆の事を行います。つまり、アルミニウムを陽極で電解し、酸化させるのです。
アルマイトは電解すると表面に特異な形状をした厚い酸化皮膜を生成します(一定の条件のもと)。 「陽極で酸化させる」ことが、アルマイトの最も大きな特徴です。

アルマイト メッキ
品物を吊す極 陽極 陰極
品物 アルミニウム 皮膜に関係なく殆どの金属
皮膜材 酸化アルミニウム 陽性の金属

 アルマイトの歴史
アルマイト加工は、1924(大正13)年に、日本の理化学研究所の植木栄、宮田聡の両氏により発明されました。アルマイトの名称も日本でつけられたものです。アルマイトは世界に広まり、加工方法も様々な手法が開発されています。用途も、調理器具だけでなく、サッシなどの建材や、自動車・機械の部品などに使われます。

 アルマイトの注意点
アルミニウム以外の金属(鉄、真鍮、ステンレス、etc)は電解液中で溶解してしまいます。
ヘリサートやピンなどの処理はアルマイト後に処理しなければなりません。
アルマイトは電気的絶縁性があります。電気的導通が必要な場合はマスキング、二次加工が必要です。

アルマイトとは